エクセルでデータ集計を行う際、エラー値が含まれているせいで、SUM関数が機能しない…そんな経験はありませんか?

また、SUBTOTAL関数では対応しきれない複数条件の集計に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
そんなときに有効なのが AGGREGATE関数です。
この記事では、AGGREGATE関数の基本から実践的な活用方法までを丁寧に解説していきます。
読み終わるころには、

集計の手間がぐっと減った!
と感じていただけるはずです。

この記事のゴール
- AGGREGATE関数の使い方と仕組みを理解できる。
- エラー値や非表示行を除いた集計ができるようになる。
- 実務で使える柔軟な集計方法を身につけられる。
AGGREGATE関数でできること

はじめに、AGGREGATE関数でできることをさっと見てみましょう
エラー値や非表示行を無視した集計
AGGREGATE関数では、引数を指定することにより集計範囲内のエラー値や非表示にした行の値を除いて計算することができます。

小計行を無視して合計値を集計
AGGREGATE関数では、入れ子になったAGGREGATE関数の結果等を除いて、合計値を算出することができます。

多様な集計処理
AGGREGATE関数は、SUBTOTAL関数と異なり、合計・平均・最大/最小・標準偏差など、19種類の集計が可能です。
AVERAGE | COUNT | COUNTA |
MAX | MIN | PRODUCT |
SUM | MEDIAN | LARGE |
SMALL | … |
AGGREGATE関数の基本

次はAGGREGATE関数の仕組みを理解しましょう
構文
=AGGREGATE(集計方法, オプション, 参照1、[参照2])
集計方法: | どんな計算をするかを数値で指定します 例:9=SUM、1=AVERAGE |
オプション: | エラー値や非表示行などを無視するかどうかを数値で指定します。 |
参照1: | 集計対象とするセル範囲指定します。 |
[参照2]: | (省略可)追加で集計対象とするセル範囲指定します。 |

引数の指定がキモになるので、次項でしっかり見ていきましょう
主要な引数
集計方法
番号 | 集計方法 | 説明 |
---|---|---|
AVERAGE | 1 | 平均 |
COUNT | 2 | 数値の個数 |
COUNTA | 3 | 空白以外のセルの個数 |
MAX | 4 | 最大値 |
MIN | 5 | 最小値 |
PRODUCT | 6 | 積(掛け算) |
SUM | 9 | 合計 |
MEDIAN | 12 | 中央値 |
LARGE | 14 | 〇番目に大きい値 |
SMALL | 15 | 〇番目に小さい値 |
オプション
番号 | オプション内容 |
---|---|
0 | 何も無視しない |
1 | 非表示の行を無視 |
2 | エラー値を無視 |
3 | 非表示の行とエラー値を無視 |
4 | サブトータルを無視 |
5 | サブトータルと非表示の行を無視 |
6 | サブトータルとエラー値を無視 |
7 | サブトータル、非表示の行、エラー値をすべて無視 |
【実践】AGGREGATE関数 活用例
エラーを含むデータの集計
エラー値が混ざったデータでも、AGGREGATE関数を使えばストレスフリーに合計できます。
=AGGREGATE(9,3,B2:B6)
→ B2:B6の範囲の合計(9)を計算しつつ、非表示の行とエラー値の両方を除外(3)します。

フィルター結果の集計
フィルターを使って一部の行を非表示にしている場合も、=AGGREGATE(9,3,B2:CB6)なら、表示されている行だけを合計できます。


エラー値も非表示行も除きたい場合がほとんどだと思うので
基本的にオプションは3か7を指定しておくとよいですね。
(参考)AGGREGATE関数とSUBTOTAL関数の使い分け
同じように集計条件を指定できる関数にSUBTOTAL関数があります。
SUBTOTAL関数ではカバーしきれない柔軟な集計ニーズに対応できるのがAGGREGATE関数の最大の強みです。
それぞれの関数の違いは以下の表を参照してください。
比較項目 | AGGREGATE関数 | SUBTOTAL関数 |
---|---|---|
エラー値の除外 | 可能(引数で制御) | 不可 |
非表示行の除外 | 可能(詳細に設定可能) | 可能(フィルターのみ) |
集計の種類 | 19種類 | 11種類 |
集計の柔軟性 | 高い(配列数式を利用可能) | 低い |
まとめ
AGGREGATE関数を活用すれば、
- エラー値があっても集計が止まらない
- 非表示行を自在に含めたり除外できる
- 複数の条件で柔軟に集計できる
というように、集計のストレスから解放される場面が一気に増えます。
業務データの中にエラーや不要な行が混ざっていても、AGGREGATE関数を使いこなせば問題ありません。

少しずつAGGREGATE関数を取り入れて、Excelスキルをレベルアップしましょう!